頑張りすぎないで

2015之弥

之弥 (ゆきや) ママさんより

畳の部屋で、主人に抱きついて、赤ちゃんを楽しみにしている息子と一緒に新しい家族を迎える。想像しただけで幸せでした。けれど現実、出産を迎えた日に主人は出張でいませんでした。主人の帰りは3日後。覚悟はしたものの、怖くて、不安で、先生に何度も電話をしました。私はお腹に向かって“生まれていいよ”“やっぱりまだ待って”と、赤ちゃんを混乱させてしまい、その度に赤ちゃんは出ようとしたり、とどまろうとしたり・・・そんな時「もういいで 出ておいで 父ちゃんの帰り待とうって ようがんばったな。でも もう いいで 安心して 出ておいで。」とかん先生がお腹に向かって言って下さいました。私は涙が出そうになり、その時に “あぁ、大丈夫だ、主人がいなくても 大丈夫だ” と心から思いました。お産には母と息子が立ち会ってくれ、先生方がずっと寄り添って下さいました。いっぱいいっぱい優しい声をかけで下さり自信を持って頑張ることができました。あんなに望んでいた主人と息子とでの立ち合い出産でしたが、数日たった今でも後悔のようなマイナスな気持ちは全くありません。自分でも不思議なくらい清々しい気持ちでした。そして二日後、やっと帰ってきた主人を笑顔で迎えることができました。後日、出産の時のビデオを主人が観て、普段感情を露わにしない人が涙を流していました。私にはそれで十分でした。
入院中も楽しい毎日でした。かん先生やスタッフの方々とのお話し、美味しい食事とおやつ。温かい心遣い・・・。頑固な自分を見つめ直す素晴らしい時間でした。バタバタと忙しいながらもキラキラ輝いて楽しそうにしていた先生の姿。きっと忘れません。ここで経験したこと、学んだことは決して無駄にせず、自分の成長の糧にしていきます。そしていつか先生に「柔らかくなったね」と言ってもらえるように、のんびり まる~い人 になります。この幸せを少しずつ 少しずつ 育てて大きくしていきます。
追伸:今回の妊娠中に、かん先生が行っている ”いのちの授業” に参加させていただきました。本当に貴重で素晴らしい体験でした。お腹の中にいる我が子のことを思いながら、そして上の子との付き合い方、そしてなにより、改めて 『いのち』 というののの尊さ、素晴らしさ、愛おしさを考えさせられました。老若男女問わず、世界中の1人でも多くの人に聞いて頂きたいです。

助産師 より

初めてお会いしたママの印象は「こんなに真面目で真剣に全てのもの事に向き合う人っているんだなぁ」でした。ママは常に自分に厳しく、正しくいようとされているので、時々見ていて痛々しかったです。だって自分の中の弱さや力のなさで、思い通りにならない時に、自分自身を傷つけていらっしゃるから…。
ママ。ママは優しくて、礼儀正しい方です。物事をごまかさないし、善悪の判断がしっかりしている。労をおしまず、持てる限りの愛情を家族に注がれいる。でもね、ママ!! 人は体力にも気力にも限界があり、出来ないことは何にも悪くないと思うんです。自分の弱さや力のなさが他者への優しさを深めるし、他者と繋がろうとするでしょ?子供達にも自分の弱さや力のなさを見せると良いよ。そしたらあなたの為に頑張ってくれるし、あなたに認められると更に強い子になっていけるでしょ。ママは素晴らしい人ですよ。私はしっかり認めています。
今回の妊娠・出産であなたは自分の殻から出て、たくさんのチャレンジをなさいました。自分自身が納得のできるお産を通して家族の絆を深める。ご両親に助けを求める。感謝する。子供(お兄ちゃん)に頼る。数えきれないくらいの経験をなさいました。たくさんの人の輪の中で穏やかに楽しみながら過ごしていく事を祈ります。

出産体験記

Posted by かん