子を守る余力

伊吹(いぶき)ママより

「次、妊娠したら助産院でうみたい」第1子後に出会った助産師のあっこさんに卒乳ケアの際話していました。
第2子妊娠発覚後すぐにあっこさんに相談し、かん助産所を紹介されました。6日後仕事中に出血が“もうダメだ”と不安になりました。翌日病院で心拍が確認できひと安心。絨毛膜下血種。毎日不安で不安で不安でした。安静にしててもしてなくても変わらないと聞きつつも仕事を休み安静にし、血種は無事消失。晴れて母子手帳をもらいかん助産所へ見学。夫は「助産所での出産って何かあった時大丈夫なの?」と不安そうでしたが、かん先生とお会いして、お話をして一転。ここなら安心して産めるとふたりでかん助産所での出産を決めました。健診の度、渋る子供に「(エコー)一緒にみてくれるか?」とか「頭下だよーって教えたってなぁ」など、かん先生がお腹の赤ちゃんのことを丁寧に上の子に伝えて下さるおかげで、お腹をなでながら話しかけてくれるようになりました。順調かと思っていた妊娠経過。病院の健診でリスクが高い可能性がある事を指摘され…..主治医は義姉。助産所での出産を心配され様々な説明、提案をされました。かん先生は「大丈夫!」とひとつひとつの心配事について丁寧に説明して下さり、安心しました。仕事も産休に入り、自分なりにセーブしつつ畑のお手入れや草むしり、毎日誰かと会う予定を入れ産休をエンジョイ!と思っていたら血圧150台、身体中とくに足がパンパンにむくむ。。「だから言ったでしょ~!」「野菜育ててる場合じゃないよ!お腹の赤ちゃん育てなさい!」1時間以上お叱りを受け、ようやく事態を理解した私でした。37W病院健診で血圧高かったらアウト。ここまできたのに、ここで、こんなことで産めなくなるなんで悲しい。何が何でも下げなければ。できる限りのことをやりきる!と決意。そしてやっとの思いで病院から助産院での出産の許可をもらえました。先生に電話で報告すると「逃げ切ったね」と一緒に笑って喜んでくれました。これからどう過ごすか、血圧が上がらないように負担を少なく過ごしたいけど、どの程度周りに頼るか、夫と夜相談し、はっきり決まらないまま寝る事に。0時:上の子が普段ないように夜中泣きさけぶ。少しして落ち着いて寝る。4時:お腹と腰の痛みで起きる。眠れないのでお産セットの確認。5時:ほぼ10分間隔。お風呂に入る。間隔12.3分に伸びる。7時:7.8分間隔。かん先生に連絡。8時:朝の通勤渋滞にはまりつつも何とか助産所に到着。不安で車で泣いていたが、かん先生の顔を見てほっとして不安を忘れる。陣痛は7分間隔から短くならない。先生は子供を呼び「赤ちゃんでてきていいか?でてきていいよ。あそぼーって言ったって。」と優しく話しかけました。そして子供がお腹に話しかけるとすぐに強い陣痛が。そこから一気に3分間隔。かん先生が前から言っていたとおり上の子がOKを出すまで出てこないは本当でした。痛い。痛い。痛い。とにかく痛い。陣痛がくる度にかん先生と一緒にお産に入ってくれたまりさんが優しく声を掛け手をかけ、2人のあたたかさにほっとしました。全て受け止めてくれ、優しく包み込んでくれる。ここで産むことができてよかったーっと思いつつもやはり痛いし不安。自分の楽な姿勢もいきみ方もわからない。どうすればいいの?わからない。かん先生はその都度優しく導いてくれました。1人目のお産の時はいきみ方も姿勢も全て指示され、何がどうなっているのか分からないままお産は進み、なぜ吸引分娩になったのかわからないまま、私には産む力がいのかと思っていました。健診の中でかん先生ともその話もしており、一緒に振り返り、涙が出そうになりました。「私でも大丈夫!」
いざその時がきたら今どうなっているのか、どうしたいのか少しずつ、何となく、感覚がわかってきました。立ち会ってほしかったあっこさんも到着。「うむぞ!」と気持ちを切り替えてからはどんどん赤ちゃんが近づいてくるのがよくわかりました。1回1回の陣痛・いきみを大切にしてうむ!と心の中でとなえ・・・助産所に着いて2時間後伊吹はうまれてきました。「うんだ!うめた!」という達成感!!全然覚えていないけど上の子もお姉さんも産まれる瞬間見守ってくれていました。この子が今しかないと決めて出てきてくれたんだよ。とかん先生。なんてかしこい子なんだろう。「いいお産だった」かん先生にそう言ってもらえて本当に嬉しかったです。毎日の美味しいごはんスタッフさんありがとうございます。あっこさんまりさん不安な時に寄り添ってくれてありがとう。かん先生おしゃべりすごく楽しかったです。人生の色んなことを教えてもらいました。もっと力を抜いてゆったり生きよう。伊吹へのスパルタ授乳指導、激痛過ぎと笑えるおっぱいマッサージ、楽しくて幸せな入院生活でした。

助産師より

信頼する助産師の後輩(あっこちゃん)がお友達である伊吹くんママと一緒にお産の申込みに訪ねて来られました。本当はあっこちゃんが彼女のお産をお世話する予定でいたのですが、あっこちゃん自身も妊娠中であり早産傾向があるので私が助産することとなりました。あっこちゃんにしたら残念だったと思います。静かに見守るだけでも良いから立ち会わせて下さいと頼まれました。もし、あっこちゃんのお産が早まったらどうしよう。悩みましたが付き添うことを承諾しました。ただ長い時間の付き添いは難しいのでお産が近づいたら呼ぶことを約束しました。妊娠後半から突然血圧が上がり足がパンパンに浮腫んだ時は本当に心配しました。ママは自分の限界を認めようとしないでどんどん物事を進めていこうと無理をなさるので、何度もストップをかけました。ママの余力が赤ちゃんを守ることを何度も話しました。大好きな畑仕事もランチ会もセーブするよう伝え、その事はアクティブなママにとっては辛かったと思います。でも、よく理解して下さり、安静を守って下さり、無事赤ちゃんが生まれました。37週2585g元気な赤ちゃんでした。良かった。そうそう、お兄ちゃんの働きも忘れてはいけないお産でした。とってもかしこい男の子で赤ちゃんに話しかけ逆子を直してくれました。なかなか生まれない赤ちゃんに話しかけ陣痛を強くしてくれました。家族を作る、家族を守る。それは小さくても役割があり、ひとりひとりが頑張っていくものなんですね。お兄ちゃんの存在がないと成立しないお産だったかも?家族全員で頑張り、いいお産になりました。ありがとう。無事産んでくれて。